「オンライン英会話を半年、いや1年続けている。なのに、いまだに話せる気がしない——」
もし今、あなたがそう感じているなら、はっきりお伝えしたいことがあります。
それは、あなたの努力不足でも、才能のなさでもありません。
英語の勉強の「順番」が逆になっているだけです。
私は受験英語止まりの状態から独学でIELTS 6.5を取り、オランダの大学院に留学しました。
今でこそ現地で困らず話せますが、勉強を始めた頃の私は、オンライン英会話で完全に撃沈していました。レッスンを受ければ受けるほど、「お金と時間を捨てているだけじゃないか」という焦りが募ったのを、今でも覚えています。
この記事では、なぜオンライン英会話を続けても話せないのか——その本当の理由を、私自身の恥ずかしい失敗とともに正直にお話しします。
そして、そこから抜け出すために直すべき「順番」を3ステップでご紹介します。
オンライン英会話で話せないのは「あなたのせい」じゃない
まず、これだけは知ってほしいのです。
続けても話せないのは、あなたの能力やセンスの問題ではありません。
私がオンライン英会話を始めたばかりの頃、レッスンはいつもこんな流れでした。
講師に質問される。
うまく答えられず、黙り込む。
講師が笑顔で「Yes! いいね?」と拾ってくれる。
別の話題へ移る。
また答えられない。
知っている単語を、思いつくままに大きな声で言う。
気づけば、25分が終わっている。
レッスン後に届く講師からの評価は、いつも判で押したように同じでした。
「発音がいいですね!この調子で続ければ必ず上手くなります。継続が一番大事。また会いましょう!」
優しい言葉です。
でも、レッスンを受けながら、私はとっくに気づいていました。会話が、成立していないと。
ここには、知っておくべき構造があります。
オンライン英会話の講師は、生徒を励まし、自信を持たせるよう教育されています。日本人の生徒には特に優しく、褒めて伸ばすのを基本方針にするスクールも多いのです。
だから、たとえ会話がかみ合っていなくても、レッスンは笑顔で穏やかに進んでいきます。
それ自体は、悪いことではありません。
でも裏を返すと——あなたが「実は話せていない」という事実に、自分では気づきにくい仕組みになっているのです。
だからまじめな人ほど、「もっと回数を増やせば」「もっと予習をすれば」と自分を追い込んでしまいます。でも、原因はそこではありません。
そもそも英語が「読めるのに話せない」のはなぜなのか。その根っこは、別の記事で詳しくお話ししています。
→ 英語は読めるのに話せない原因と解決法|受験英語止まりだった社会人が克服した方法
話せない本当の理由=「土台」がないまま「実践」しているから
では、なぜ続けても話せないのでしょうか。
理由は、とてもシンプルです。
インプット(土台)がないまま、アウトプット(実践)だけをやっているからです。
英語の習得には、大きく2つの段階があります。
- インプット:基本となる英文を、考えなくても口から出るレベルまで体に入れる(土台づくり)
- アウトプット:その土台を使って、実際の会話で発信する(実践)
オンライン英会話は、完全に後者「実践」の場です。
ところが、土台となる英文が自分の中に入っていないと、実践の場でいくら粘っても、口からは何も出てきません。
私はこれを、目隠しでバットを振るようなものだと思っています。
素振りで型もできていないのに、いきなり試合のバッターボックスに立たされているようなもの。どれだけ振っても、ボールには当たりません。
ネット上の多くの記事は、ここで「予習・復習をしよう」「レッスンの回数を増やそう」とアドバイスします。もちろん、無駄ではありません。
でも、土台がないまま量だけ増やしても、効率はほとんど上がりません。バットの振り方を知らない人が素振りを10倍にしても、試合でヒットは打てないのと同じです。
問題は、量ではありません。順番なのです。
実は私には、この「土台が先」という原理を教えてくれた、高校の恩師がいました。
恩師の口ぐせは「英文を暗唱できるレベルまで読み込め」。そのおかげで私は長文をスラスラ読めるようになり、志望大学にも合格できました。
ところが社会人になって「話せるようになりたい」と思ったとき、私はその原理をすっかり忘れ、いきなりオンライン英会話に飛びついてしまったのです。だから、撃沈しました。
読むのも話すのも、本質は同じでした。暗唱できるレベルまで入れた英文が土台にないと、口からは出てこないのです。
話せるようになる「順番」を直す3ステップ
では、どう直せばいいのでしょうか。
遠回りの末にたどり着いた順番は、こうです。
STEP1:基本英文を「暗唱レベル」まで入れる(土台づくり)
まずやるべきは、考えなくても口から出てくる英文のストックを作ることです。
私が使ったのはDUO 3.0という例文集でした。
やり方は一つ。日本語訳を見て、英文をスラスラ暗唱できるようにします。
単語をバラバラに覚えるのではなく、「文ごと」覚えるのがポイントです。そうすると「この場面ではこの表現を使う」という感覚ごと、体に入ります。
さらに、効く工夫があります。
暗唱がスラスラできるようになってきたら、覚えた英文を「自分の経験」に当てはめて、独り言で言い換えてみるのです。「あの場面なら、こう言えたな」と。
これを繰り返すうちに、暗記したはずの英文が”自分の言葉”に変わっていきます。私はこの段階を経て、はじめて会話で言葉が出るようになりました。
? DUO 3.0の具体的な暗唱のやり方はこちらで解説しています。
→ IELTS Speaking・Writingが伸びない人がやるべきこと|DUO 3.0で”窮屈な英語”から抜け出した話
STEP2:発音とリスニングの土台を作る(聞き取れる耳)
会話は、相手の言葉が聞き取れなければ始まりません。
私がオンライン英会話で撃沈した理由の一つが、そもそも講師の質問が聞き取れなかったことでした。発音を適当にやってきたツケです。
ここはフォニックス(つづりと音のルール)で基礎をやり直し、そのあとDUOの音声でディクテーション(聞いて書き取る練習)をしました。
自分が正しく発音できる音は、聞き取れるようになります。聞き返す回数が減るだけで、会話のストレスは驚くほど減りました。
発音と聞き取りは、表裏一体なのです。
STEP3:土台ができてから、オンライン英会話へ
ここまで来て、はじめてオンライン英会話が「効く実践の場」になります。
暗唱した英文をベースに、自分の経験に当てはめて話す。最初はぎこちなくても、土台がある状態なら、回を重ねるごとに確実に言葉が出るようになります。
同じレッスンでも、土台がある状態で受けると、講師のフィードバックが社交辞令ではなく、本当に建設的なものに変わります。
「発音がもう少し良くなれば、もっと流暢に聞こえるよ」——そんな具体的な改善点をもらえるようになったとき、私は確かな手応えを感じました。
気づけば、独り言英会話が楽しくなり、「もっといろんな人と話したい」と思えるようになっていました。これが、実践を始める正しいタイミングだったのです。
? 3ステップに共通すること
どれも「土台を作ってから、実践に出る」という一つの順番に沿っています。逆に言えば、順番さえ正せば、オンライン英会話はこれ以上ない練習の場になります。あなたが今まで無駄にしたと感じているレッスンも、土台ができた瞬間に、一気に活きてきます。
土台ができた後、オンライン英会話はこう使い分ける
土台ができたら、目的に合わせてサービスを選びましょう。
実践の場は、大きく2種類あります。一人で大量にアウトプットを稼ぐか、講師に添削・フィードバックをもらうかです。私が実際に使って良かったものを、ご紹介します。
レッスン受け放題で、土台ができた後の「場数」を稼ぐのに最適でした。独り言英会話で口が回り始めたら、まず量をこなしてアウトプットを習慣にしたい人に向いています。
書く→添削→話す、の流れで、正しい英文を自分のものにできます。IELTSなど本番形式の対策にも強く、私のスピーキングのスコアが動いたのも、この「添削つきの実践」が効きました。
どちらが正解、ということはありません。
大事なのは、STEP1・2の土台を作ってから使うこと。順番が逆だと、どんなに良いサービスでも空回りします。私が、証明済みです。
まとめ:話せないのは、順番を知らなかっただけ
オンライン英会話を続けても話せないのは、あなたの努力やセンスの問題ではありません。
土台(インプット)がないまま、実践(アウトプット)だけをやっている——順番が逆になっているだけです。
抜け出す順番は、こうでした。
- ✅ STEP1:基本英文を暗唱レベルまで入れる(土台)
- ✅ STEP2:発音を基礎からやり直す(聞き取れる耳)
- ✅ STEP3:場数を踏むのは、そのあと(実践)
あんなに話せなかった私が、基本に立ち返って話せるようになりました。だから、断言できます。
話せないのは、あなたのせいじゃありません。順番を知らなかっただけです。
そして、その順番は、オンライン英会話を始める前の今日からでも直せます。まずはSTEP1、基本英文を一つ暗唱するところから、始めてみてください。
「そもそも、何から始めればいいの?」と迷ったら
英語が話せない大人が「話せる」に変わるための、5つの原因と正しい順番を総まとめにしました。

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