※この記事は英語の「独り言学習」の話です。日本語の「独り言」を英語でどう言うかを調べに来られた方は、お探しの内容ではありません。
英語の独り言がいいと聞いて、やってみた。そして、何も出てこないまま終わった——という話をよく聞きます。
「口に出せばいいだけのはずなのに、何を言えばいいのか分からなくて黙ってしまう」
英語の独り言を始めた人が、だいたい止まるところ
・目の前のものを実況しようとしても、英語が出てこない
・フレーズ集を覚えたのに、いざその場面が来ると使えない
・二、三日はやったが、話すことがなくなって終わった
やり方が悪いわけでも、続ける気持ちが足りないわけでもないと思っています。
💡 先に結論
英語の独り言は、ゼロから文を作る練習ではありませんでした。私の場合、独り言として口から出ていたのはすでに暗唱していた文の組み合わせです。出てこないのは根気の問題ではなく、組み合わせる材料がまだ手元にないだけだと考えています。
そう言えるのは、私が言える文を何も持たないまま、オンライン英会話で人と話しに行った側だからです。
受験英語は、英文を暗唱するところまでやって突破しています。読むほうは、それでかなり自由になりました。
ところが社会人になってオンライン英会話を始めたとき、「週末の予定は?」の一言に固まりました。読める英文の量と、口から出る英語の量は、まったく別物でした。
変わったきっかけは、覚えた文が増えてきたことでした。それを組み合わせれば、言いたいことはだいたい作れると気づいたのです。
いまは、英語のニュース教材を暗唱する習慣が続いています。そして通勤の行き帰りは、たいてい英語で独り言を言っています。
家で覚えて、移動中に思い出す。私の独り言は、それだけでできています。
📖 この記事でわかること
・英語の独り言で言葉が出てこないとき、何が足りていないのか
・私が実際にやっている独り言の中身(フレーズ集は使っていません)
・独り言で伸びるところと、独り言では伸びなかったところ
英語の独り言が回り出したのは、暗唱した文が増えてからでした
独り言が練習として成立し始めたのは、覚えている英文がある程度たまってからです。
逆に言えば、覚えている文がない状態で口を開くと、頭の中で日本語の文を作って、それを訳そうとすることになります。
それは独り言ではなく和文英訳です。しかも、辞書を引かずに時間制限つきでやる、いちばん厳しい形の。出てこなくて当たり前だと思っています。
「英語で考えよう、と決めた三分後には日本語で考えている」
私の場合、それが変わったのはDUO 3.0のあとでした。日本語訳を見ただけで英文がすらすら出てくるところまで、例文を暗唱しています。
そこまでやってから通勤中に口を動かしてみると、以前とは別のことが起きました。日本語を訳す代わりに、覚えた文のどれが今の場面に近いかを探していたのです。
探して、少し変えて、口に出します。この形になってから、独り言が止まらなくなりました。
独り言が「回っている」かどうかの判定
口を開いてから最初の一文が出るまでに、頭の中で日本語を作っていないか。
日本語を作ってから訳しているなら、それは独り言ではなく英作文です。まだ覚える段階にいると考えていいと思います。
独り言が出てこないのは、単語ではなく「その場面の文」を持っていないからでした
言葉に詰まる原因を、私はずっと語彙不足だと思っていました。単語をもっと覚えれば話せるようになるはずだ、と。
実際に詰まっていた場所は、そこではありませんでした。
言いたい内容の入り口までは出るのに、そのあとどういう内容が続いて、その内容に合う単語をどう使えばいいのかを知らない。止まっていたのは、いつもそこでした。
単語は知っていたのです。使い方の側を知らなかった。
「単語は浮かんでいるのに、文の形にならないまま消えていく」
だから、フレーズ集を一覧で覚えても独り言が出てこない、ということが起こります。覚えたフレーズと、いま自分がいる場面が噛み合わないからです。
単語をひとつだけ覚えると、それが使われる光景が浮かびません。文で覚えていると、その文が使われる場面ごと頭に入ります。独り言で先に出てくるのは、場面ごと覚えているほうです。
ちなみに、独り言が出てこないのは正しい英語を言おうとしすぎるから、という説明もよく見かけます。私の場合は当てはまりませんでした。正しさを気にする以前に、出す文の持ち合わせがなかったからです。
英語が読めるけど話せない原因と解決法|受験英語止まりだった社会人が克服した方法
読めるのに口から出ない状態を、原因のほうから整理した記事です。
私の英語の独り言のやり方は、覚えた文の組み合わせです
やっていることは一つで、教材で暗唱した文を持ち出して、つなげ直すだけです。
使う文はどこから持ってくるか
出どころは主に二つです。ひとつはDUO 3.0の例文。もうひとつは、いま取り組んでいる英語のニュース教材で暗唱した文です。
DUOの例文が使いやすいのは、一文に単語が四つも五つも入っているからだと思っています。
単語帳のように一語ずつ覚えるのではなく、文脈と単語が最初から線でつながった状態で入ってきます。だから会話でもそのまま出せます。
中身は決めず、順番だけ決める
話す順番だけは決めています。結論を言って、理由を言って、具体例を出して、もう一度結論に戻る。いわゆるPREPの形です。
独り言のときに決めていること
・話す中身は決めない(そのとき浮かんだことでいい)
・話す順番だけ決める(結論 → 理由 → 具体例 → 結論)
この型があると、材料が少なくても独り言が終わりません。次に何を言うかを、内容ではなく順番が決めてくれるからです。
家でやることと、移動中にやることを分ける
やる場所も分かれています。音読と暗唱、つまり実際に頭に入れる作業は家でやります。思い出すのは通勤などの移動中です。
電車の中では小声で呟くくらいですが、それで十分です。覚えた文を引っぱり出して、組み合わせて、別の文を作ってみます。移動時間にやっているのは、ほぼこれだけです。
入れる作業と、出す作業を分ける
・家=音読と暗唱。新しい文を頭に入れる
・移動中=独り言。入れた文を思い出して、組み合わせる
先にお伝えしておくと、暗唱という作業そのものは、かなり負荷がかかります。楽な方法として紹介するつもりはありません。
ただ、その負荷は独り言の側には来ません。独り言は、すでに払ったコストを使うだけの時間です。
英語の音読の効果は「読む力」に出ました|意味ないと感じる理由
材料を仕入れる側の話です。音読をどこまでやれば暗唱になるかは、こちらに書いています。
IELTS Speaking・Writingが伸びない人がやるべきこと|DUO 3.0で“窮屈な英語”から抜け出した話
DUO 3.0をどこまで暗唱したかの記録です。独り言の材料はここから来ています。
👉 同じ「覚えた文の組み合わせ」を、話す側ではなく書く側でやってみた話はこちらです: 英語日記を2週間でやめた私が、効果を感じられなかった理由
英語の独り言が続かないのは、ネタがないからではなく決められないからでした
独り言が続く条件は、話題の多さではなく、自分で中身を決められることだと思っています。
私の場合、隙間時間に実際に回っているのは独り言と、覚えた例文の想起だけです。理由ははっきりしていて、どちらも何をやるかを自分で決められるからです。
読む練習はそうはいきません。読めなければいけないものが向こうで決まっていて、語彙も構文も長さもこちらでは選べない。隙間時間には乗りにくいのです。
独り言は逆です。手持ちの文で言えることだけを言えばいい。難易度を自分の在庫に合わせられるので、途中で立ち往生しません。
隙間時間に乗るもの・乗らないもの
・乗る=独り言、覚えた例文の想起(難しさを自分で決められる)
・乗りにくい=読む練習(語彙も長さも向こうが決めてくる)
だとすると、続かない原因は「ネタ切れ」ではなく、在庫がないまま話題だけを増やそうとしていることになります。ネタ帳を探しに行くほど、口が動く時間は減っていきます。
これは私にも覚えがあります。机に向かうとつい、英語の勉強法を解説する動画を開いてしまうのです。勉強した気にはなるのですが、英語には一言も触れていません。
やり方を探している時間は、独り言をしている時間ではありません。
独り言のネタを、毎回考えなくて済むようにする
とはいえ、何を話すか決まらないと口が動かないのも本当です。私は、話題を新しく探すのをやめました。
代わりに使っているのは、前の日にうまく言えなかった文です。昨日詰まったところをもう一度言ってみる。それが今日の題材になります。
この決め方だと、ネタ切れが起こりません。詰まりは毎日どこかで出てくるからです。
独り言が「思い出せない」で止まった瞬間が、次に覚える文を教えてくれます
独り言のいちばんおいしい瞬間は、うまく言えたときではなく、詰まったときです。
暗唱している途中や、通勤中や仕事中に、「あれ、なんだっけ。思い出せない」となる瞬間が来ます。
この詰まりが、そのまま自分の弱いところを指しています。
忘れているということは、まだ自分のものになっていないということなので、そこを補強すればいい。
独り言をしていると、この瞬間が一日に何度も来ます。教材を開いている時間より、むしろ移動中のほうが多いくらいです。
だから私は、独り言を「練習」ではなく点検だと思っています。出てくるものと出てこないものを仕分けて、出てこなかったほうを家に持ち帰ります。
英語の独り言が一周する形
③で見つかった文が、そのまま翌日の①になります。
この形になると、独り言のネタを探す必要がなくなります。昨日詰まったところが、今日やることだからです。
英語の独り言の効果は、相手のいる会話とは別のところに出ました
正直に書くと、独り言だけでは埋まらなかったものがあります。
私がオンライン英会話で心が折れかけた理由は二つでした。ひとつは、相手の質問が聞き取れないこと。もうひとつは、自分の語彙の幅が狭すぎて、毎回同じ表現ばかりになってしまうことです。
このうち、独り言で手が届いたのは二つ目だけです。
独り言で埋まったもの/埋まらなかったもの
・埋まった=毎回同じ表現しか出てこない状態(言い方の在庫が増えた)
・埋まらなかった=相手の質問が聞き取れない(自分の知っている音しか流れてこないため)
聞き取りのほうは、独り言では手つかずのままでした。自分の知っている音しか流れてこないので、当然といえば当然です。
それでも、独り言を続けたことで変わったことははっきりあります。
覚えたものを組み合わせて、ある程度まとまった文が作れるようになった。そこから、話すことへの気持ちが変わりました。
いまは、表現が分からないことも聞き取れないことも当然あります。
ただ、そのときにどうすればいいかは分かっているという感覚があります。
話せるようになった、という話ではありません。方向が分かっているので、あとは量をこなすだけだと思える。独り言の効果は、そこに出ました。
オンライン英会話で撃沈しました|英語は読めるのに何も出てこなかった、初心者だった頃の話
材料がないまま人と話しに行った日の記録です。独り言を始める前の私がここにいます。
AIを英語の独り言の相手にするのは、私はまだ「腕試し」の位置に置いています
相手のいない独り言の弱点は、AIである程度埋められます。ただ、私はそれを在庫を作る場所ではなく、在庫を試す場所として使っています。
生成AIの音声機能を試して、引っかかったところ
生成AIの音声機能を試したことがあります。返ってくる英語は自然で、会話としては普通に成立しました。
ひとつだけ引っかかったのは、こちらの英語の間違いを、指示しないと直してくれないことです。
仕様として当たり前ではあるのですが、直してほしければそのための指示を自分で用意する必要があります。
ここが、時間のない社会人にはひっかかると思っています。うまい指示の出し方を探しに行った時点で、またやり方探しに戻ってしまうからです。
「良いプロンプトを探しているうちに、今日も英語を一言も話していない」
私が英語学習用のアプリを使っているのは、その手間を省きたいからです。直してもらう設計が最初から入っているものを選べば、探す時間を口を動かす時間に回せます。
スピーク(Speak)の評判は本当?2ヶ月使った私が正直に書くレビュー
その「直してもらう設計」が入っているものとして、私が2ヶ月課金して使ったアプリです。良かった点も、迷った点も書いています。
どちらが優れているという話ではありません。私は一度試しただけですし、指示を工夫して使いこなしている方もいると思います。
独り言の次に、人と話す場所を用意しておく
順番として言えるのは、こうです。独り言で組み立てられるようになってから相手のいる場所に出ると、撃沈の中身が変わります。何も出ないのではなく、出したものが通じるかを試す時間になります。
そして、独り言だけでは埋まらなかったほう——相手の英語を聞き取る力は、その場所でしか鍛えられません。
👉 聞き取りの側をひとりで鍛えようとして、追いつけなかったときの話はこちらです: シャドーイングができない・ついていけない|私が変えたのは速度と発音の順番でした
ひとりで練習する道具と、人と話す場所。どちらを先に用意するかで、同じ英会話レッスンが別のものになります。
「読めるけど話せない」社会人が選ぶ実践の場|オンライン英会話・AIアプリ・スクールはどれ?
ひとりで練習する側と、人と話す側。それぞれの向き不向きを並べています。
まとめ|英語の独り言を「出てくる」状態から始めるために
この記事で書いたこと
・独り言が回り出したのは、暗唱した文が増えてから
・出てこないのは単語不足ではなく、その場面の文を持っていないから
・続けるコツは、話題ではなく順番だけを決めること
・独り言で埋まらないのは聞き取り。そこは人と話す場所で
いま独り言をやろうとして黙ってしまうなら、話題を増やす前に、口から丸ごと出せる英文が何本あるかを数えてみてください。
ゼロなら、独り言はまだ早いのではなく、順番が一つ手前にあるだけです。手持ちの教材から一文だけ選んで、何も見ずに言えるところまで持っていく。
その一文が言えたら、明日の通勤中にそれを思い出してみてください。思い出せなければ、それが明日の材料になります。
私はここに来るまで、ずいぶん長いあいだ「話す才能がなかったのだ」と思っていました。
出てこなかったのは、まだ入れていなかっただけでした。
「結局、どの順番でやればいいの?」と迷ったら
材料を仕入れるところから人と話しに出るまでの全体像を、5つのステップにまとめています。


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