音読は続けている。ただ、これが何につながっているのかが分からない。
「声には出している。でも、これで英語が話せるようになるんだろうか」
音読を続けている人が、途中で立ち止まるところ
・何回やれば効果が出るのか、誰も教えてくれない
・読むのは速くなった気がするが、会話では出てこない
・「音読は意味ない」という意見も見かけて、手が止まる
私も、同じところで止まりました。
💡 先に結論
英語の音読に効果はあります。ただし私の場合、効果が出たのは読む力でした。音読と暗唱で入試の長文は読めるようになり、それでもオンライン英会話では「週末の予定は?」の一言に固まりました。音読が効かなかったのではなく、効果の出た場所が「話す」まで伸びていなかったのだと思っています。
そう言えるのは、私が音読をサボった側ではないからです。
高校2年のとき、授業で英文を暗唱するところまで叩き込まれ、そこで読む力が完成しました。
ただ、その読む力のまま社会人になり、英語は読めるのに話す番になると出てこない、という状態が長く続きました。
その後、IELTSを受けて留学もしています。それでも、話す力のほうは音読とは別に育てるしかありませんでした。
いまも、英語の教材を音読して暗唱するところまでやる習慣は続いています。
この記事は、読む側と話す側のあいだで何がずれていたのかを、私の側から書いたものです。
📖 この記事でわかること
・英語の音読の効果が、どこに出て、どこに出なかったのか(私の場合)
・「音読は意味ない」と感じるとき、何がずれているのか
・同じ音読を、話す側に向けるために私がやっていること
英語の音読の効果は、私の場合「読む力」にはっきり出ました
音読の効果としていちばんはっきり出たのは、英文を前から読めるようになったことです。
英語と日本語では語順が違うので、慣れていないうちは文の後ろから戻って読むことになります。いわゆる返り読みです。
その戻る動きが、音読と暗唱を続けているうちに消えました。
前から読んで、前から意味が入ってくる。読むスピードが上がったというより、読み方そのものが変わりました。
結果として、私はその読む力で入試を突破しました。だから私は、音読に効果がないとは思っていません。
効果は、確かにありました。
高2の恩師は、音読と暗唱を「返り読みをなくすため」に渡していました
私が渡された音読と暗唱は、最初から最後まで「読むため」の訓練でした。
👉 同じ「日本語→英語」でも、読むための変換と話す在庫を作る変換は別物でした
返り読みをなくすことが目的で、会話で使うことは目的に入っていません。
目的が読む側にあったのだから、効果が読む側に出たのは当たり前です。私はそれを、話す側にも自動で効くものだと思い込んでいました。
始まりは高校2年の授業でした。自分で選んだ方法ではありません。
その先生は、授業で扱った長文問題を英語で解かせたあと、何も言わずに、同じ長文の日本語訳を配ってもう一度解かせました。
日本語ならみんな解ける。生徒は薄々「これ、さっきの長文の訳だ」と気づきます。
そのうえで言われたのが、次の言葉です。要点はひとつで、返り読みをなくすために暗唱する、ということでした。
「長文は読めなきゃ解けないんだ。」
「ではなぜ読めないのか。それは日本語と英語は語順が違うから。英語の語順に慣れないと返り読みを永遠にしなきゃならない。では、返り読みをなくすには何が必要か? 英文を暗記、暗唱すること。何もないところから英文を暗唱できれば、その英文は自分のものになり、返り読みはなくなる。テストでも授業で扱った長文の中の文章を書かせる問題を出す。これなら赤点だって回避できるでしょ?だって答えを丸暗記できるんだから。」
最後の一言が、いま思い返しても効いています。
理想論ではなく、赤点を回避する現実的な逃げ道として暗唱を渡された。だから、やる気があってもなくてもやれました。
そして予告どおり、暗唱した英文はテストに出ました。出題形式は、日本語を英語に訳す問題です。
声に出して覚え、紙に書いて確かめる。読むための訓練としては、これで完結していました。
読めるようになった数年後、オンライン英会話で「週末の予定は?」に詰まりました
社会人になってからオンライン英会話を始めて、私は最初の段階で沈みました。
あの日、レッスンで起きたこと
自己紹介は言えた。名前、仕事、英語を勉強している理由。
→ 講師が「週末の予定は?」と聞く。
→ 何も出てこない。
→ 聞き取れているのかも自信がなくなり、分かった顔でうなずく。
困ったのは2つでした。相手の質問が聞き取れないこと。
そして、言えることの幅が狭すぎて、毎回同じ表現に戻ってくることです。
そのときの気持ちは、悔しいとは少し違いました。
全く会話ができなかった悲しさと、受験の経験もあって読めるのに話せなかった悲しさ。それだけです。
ただ、レッスンに出たこと自体は後悔していません。「このままだとダメだ」が分かったからです。
音読を続けているだけでは、それが分かる場面が来ませんでした。
オンライン英会話で撃沈しました|英語は読めるのに何も出てこなかった、初心者だった頃の話
同じ場面を、レッスンの最初から最後まで書き起こしています。先に読んでいただく必要はありません。
音読の効果が「話す」に出ないのは、入れる作業と思い出す作業が別だからです
私の場合、音読は「入れる」作業で、会話は「思い出して組み立てる」作業でした。
同じ英文を扱っていても、体の使い方が違います。
音読はテキストを見ながらできます。目の前に文がある状態で、声に出す。
一方で会話は、何も見えていない状態から文を出さないといけません。
この差は、詰まったときの中身に出ます。私は長いあいだ、話せないのは単語が足りないからだと思っていました。
けれど後から分かったのは、詰まっていた正体は単語不足ではなく、その先にどんな内容が来て、その内容にどの単語をどう使うのかを知らなかったことでした。
単語は知っている。使い方の形で持っていなかった。
| 作業 | 目の前にあるもの |
|---|---|
| テキストを見ながらの音読 | 英文がある(読み上げる) |
| 何も見ずに言う暗唱 | 何もない(思い出す) |
| 会話 | 何もない+相手が話題を決める |
下に行くほど、目の前に見えているものが減っていきます。
音読だけを続けていた頃の私は、いちばん上の段だけを繰り返していたことになります。
だから私は、音読の後ろに「何も見ずに言う」段を足しました。文単位で覚えると、その文の光景が浮かびます。
単語だけで覚えたものは、会話の場面でうまく像を結びませんでした。
英語が読めるけど話せない原因と解決法|受験英語止まりだった社会人が克服した方法
話せない原因を、音読以外の側からも整理しています。心当たりが音読だけではないときに。
「読める・聞けるのに話せない」は、Versantのスコアにも出ました
この偏りは、感覚の話ではありませんでした。
2026年8月にVersantという試験を受けたところ、そのまま数字で出ています。
Versantは、機械に向かって英語で話し、その場で自動採点されるスピーキング中心の試験です。
| 項目 | スコア |
|---|---|
| Overall | 54(CEFR B1+) |
| Listening | 59 |
| Speaking | 48 |
いちばん低かったのはSpeakingでした。聞いた話を自分なりに組み立て直して話す課題では、準備の時間がなく、実際にフリーズしました。
留学していた頃の自分と比べると、正直こたえました。英語は使わなければ落ちる、というだけの話でもあります。
それでも、読む力と聞く力のほうは残っていました。音読と暗唱で作ったものは、時間が経っても土台として残る。
その代わり、話す側は別に育てないと出てこない。数字の並びは、私にはそう読めました。
「音読は意味ない・効果ない」と言われる理由は、目的と出口のズレでした
音読が意味のない練習だとは、私は思っていません。ずれているのは、たいてい目的と出口のほうです。
読むために音読していて、読む力が伸びているなら、それは効いています。
話せるようになりたくて音読していて、テキストを見ながら読むところで止まっているなら、話す側にはまだ届いていない。
私がそうでした。
いまの音読が、どこで終わっているか
・テキストを見ながら読んで終わっている → 読む側に効いている段階
・何も見ずに、その文を言える → 話す側の入口に立っている
・言えるようになった文を、独り言や会話で実際に使ったことがある → 出口までつながっている
どれが上でどれが下、という話ではありません。自分の目的が読む側なら、いちばん上で終わっていて何の問題もありません。
「効果が出るまで何回やればいいのか」という問いには、私は答えを持っていません。回数を数えたことがないからです。
代わりに終わりの目安にしているのは、回数ではなく状態のほうです。
何も見ずにその1文を言えたら、その文はいったん終わり。言えなければ、言えるまで戻る。それだけで数えなくてよくなりました。
いまも、同じ英文に触れる回数を増やしてみる実験を続けていますが、はっきりした実感はまだありません。
回数の話をする前に、自分の音読がどこに向かっているのかを決めるほうが先だと思っています。
オンライン英会話を続けても話せない本当の理由|社会人が撃沈して気づいた「順番」の話
音読ではなくレッスンのほうを続けていて手応えがない場合は、こちらが近い話です。
シャドーイングと音読は、どちらが良いかではなく目的で分かれます
私は両方やっていますが、目的が違います。
音読と暗唱は文を自分の中に入れるため、シャドーイングは音を聞き取れるようにするためにやっていました。
始めたのはIELTSの対策のときで、素材はTEDの動画です。好きな動画は、いまでも見返してシャドーイングしています。
当時の目的はリスニングでした。自分で話せない音は聞き取れない、と思っていたからです。
ただ、いま振り返ると順番のほうを間違えていたと思っています。
発音の基礎をしっかりやってから始めていれば、もっとスムーズで、効果のある学習になったはずです。
いまのメインは暗唱と、発音記号の基礎をやり直すことです。シャドーイングは、時間があるときにやる程度に戻っています。
シャドーイングができない・ついていけない|私が変えたのは速度と発音の順番でした
そのシャドーイングで追いつけなかったとき、私が何を変えたのかを書いた記事です。
いま私は、同じ音読を「話すため」の順番でやっています
やっていること自体は、高2のときとほとんど同じです。変えたのは順番と、最後に置く出口だけです。
素材は、自分が普段接している場面の文を選ぶようにしています。
仕事の予定、体調、週末の話のように、日本語でなら毎日やっている場面の文は、読んだときに光景が浮かびます。
逆に、自分がまったく触れない専門的な題材の文は、何度読んでも入りませんでした。
難しいから入らないというより、自分の生活との接触面がないから入らない、という感覚です。
私が英語の教材でやっている順番
STEP1 意味の塊ごとにスラッシュで区切って、前から読む
STEP2 英語を見て、日本語にする
STEP3 日本語を見て、英語にする
STEP4 何も見ずに、文全体を暗唱する
STEP5 覚えた文を組み合わせて、独り言で話す
STEP3で日本語から英語に戻す作業が入るので、読むだけのときより、口を動かす量が増えます。
STEP5の独り言では、結論から言って、理由と具体例を足して、もう一度結論に戻る形を意識しています。
英語の独り言は「覚えた文の組み合わせ」でした|出てこない・続かない理由
STEP5の独り言だけを取り出して、やり方と続け方を書いています。
場所も分けました。頭に入れる作業は家で、思い出す作業は移動中に。
通勤の電車では、覚えた文を小声で呟いたり、覚えた文を組み合わせて別の文を作ったりしています。
正直に書いておくと、暗唱はとても負荷のかかる作業です。
楽になる方法として勧めているわけではありません。
だから量も、最初から1本まるごとを目標にしなくていいと思っています。1文が何も見ずに言えたら、その日は進んでいます。
IELTS Speaking・Writingが伸びない人がやるべきこと|DUO 3.0で“窮屈な英語”から抜け出した話
STEP4の暗唱を、DUO 3.0でどこまでやったかの記録です。手順の具体はこちらに。
まとめ|英語の音読の効果を「話す」側に出すために
いま音読を続けていて手応えがないなら、量を増やす前に、自分の音読がどこで終わっているかを見てみてください。
テキストを見ながら読むところで終わっているなら、そのすぐ後ろに「何も見ずに言う」を足す。
それだけでも、扱っている英文は同じまま、出口が変わります。
私は、そこに気づくまでにずいぶん遠回りをしました。音読を否定されたと感じる必要はありません。
効いていた場所を、これから話す側に伸ばしていくだけです。
「結局、どの順番でやればいいの?」と迷ったら
土台づくりから実践に出るまでの全体像を、5つのステップにまとめています。


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